賃貸管理の3つの種類とは？自主管理・委託・サブリースの違い

静岡市で賃貸経営をこれから始める、または運営方法を見直したいオーナー向けに、賃貸管理の主な方法をわかりやすく解説します。

賃貸管理の主な種類

①自主管理

自主管理とは、賃貸物件の管理業務をオーナー自身が一手に担う管理方式のことを指します。

入居者募集、賃料回収、滞納対応、クレーム処理、修繕工事の手配から法定点検、共用部清掃に至るまで、賃貸経営に関わるほぼすべての業務を自ら実施します。

自主管理のメリット

自主管理では、管理会社に支払う手数料が不要となるため、ランニングコストを大幅に軽減できます。

会計帳簿の作成や滞納チェック、清掃やメンテナンス業者との契約といった多岐にわたる業務を自ら行うことで、賃貸経営の全体像や収支状況を正確に把握しやすくなります。

入居者からの問い合わせや要望を直接受けることで、トラブル対応や改善策の実施を迅速に行える点も大きな魅力です。

自主管理のデメリット

賃貸管理業務は膨大であり、家族や共同所有者への負担増加、日常的なトラブル対応の精神的ストレスが大きくなる恐れがあります。

家賃の滞納対応や緊急クレーム処理など、専門知識や経験が求められる場面も多いため、知識不足や時間的に余裕のないオーナーには大きな負荷となります。

自主管理が向いている人とは？

収益を最大化しながら、自ら賃貸経営ノウハウを蓄積したいオーナーに向いていますが、業務量の多さと緊急対応の負担には注意が必要です。

②委託管理

委託管理とは、不動産会社に賃貸物件の管理・運営を任せる管理方式です。

専門会社が入居者募集や契約手続き、家賃回収と滞納対応、修繕工事の手配、クレーム対応などの業務を行うことで、オーナーの手間や精神的負担を軽減できます。

委託管理は、一般的な管理委託契約に加え、家賃保証を伴う契約オプションを用意している会社もあります。

委託管理のメリット

委託管理を活用すると、物件管理に伴う日々の煩雑な業務が軽減され、遠方にある物件でも効率的に運用できるようになります。

不動産会社の専門的なノウハウを活用することで、空室対策や法定点検、修繕計画の立案などを安心して任せられます。
本業を持つオーナーにとっては、管理業務に時間をとられることなく、限られた時間を有効に活用できることもメリットです。

委託管理のデメリット

管理会社に支払う管理手数料が家賃収入の5％前後かかるため、収益性は自主管理に比べて低下します。

一般管理契約では賃料保証がない場合もあり、空室期間のリスクをオーナーが負うことになります。運用方針や対応品質が管理会社の能力に左右される点にも注意が必要です。

委託管理が向いている人とは？

多忙なサラリーマン大家や物件数が多いオーナーに向いていますが、管理手数料と空室リスクの負担には注意が必要です。

③ サブリース
（一括借り上げ）

サブリースとは、不動産会社がオーナーから賃貸物件を一括して借り上げ、第三者に転貸する契約方式を指します。

オーナーは物件の賃貸経営および管理業務をほぼ全面的に外部に委ね、契約で定められた保証賃料を毎月受け取ることで収益の安定化を図ることができます。

ただし、賃料設定の自由度低下や賃料見直しリスク、契約解除の難易度などを事前に把握しておくことが重要です。

サブリースのメリット

サブリースを活用すると、賃貸経営のノウハウが不要となります。物件によっては、相続時の資産評価圧縮につながる場合もありますが、詳細は税理士等の確認が必要です。

契約で保証賃料を受け取るため、空室が発生しても一定の収入が確保できるほか、修繕やクレーム対応などの管理業務の手間から解放され、オーナーは家賃収入を受け取るだけで運用できます。

サブリースのデメリット

保証賃料は市場相場から割引された額が適用されるため、賃料を自由に設定できず収益性が低下しやすい点に注意が必要です。

サブリース契約をする会社によっては、入居状況を直接把握しにくく、修繕内容の決定権は管理会社側にある一方で、その費用負担はオーナーに残るケースも。

賃料見直し時の減額リスクや、契約期間中の契約解除の難しさなど、契約条件を慎重に確認する必要があります。

サブリースが向いている人とは？

手間をかけずに一定の収入を得たいオーナーに向いていますが、賃料設定の自由度低下や見直しによる減額リスクには注意が必要です。